この記事の目次
OceanGraphでは、Pythonを使わずにArgoプロファイルを検索し、水温・塩分などのグラフを確認できます。複数のプロファイルを比較するときは、ダウンロードしたJSONをAnalysis Labへアップロードします。
Argoそのものを初めて学ぶ場合は、Argoフロートとは?海洋観測データの完全ガイド から始めてください。
地図、鉛直プロファイル、断面図、T-S図、時系列を比べてから作業の流れを選びたい場合は、海洋データ可視化:手法・実例・ツール を参照してください。
PythonなしでArgoデータを可視化する手順
手順1:OceanGraphを開き、検索から始める
OceanGraphの検索画面で、見たいデータのおおまかな範囲を指定します。
- 日付範囲
- 地理的な海域
- 既知のフロートがある場合はWMO ID
- 生物地球化学プロファイルが必要ならBGCデータの有無
検索の操作方法は、Search and Bookmark(英語)で確認できます。
この段階では条件を細かく絞り込みすぎず、どのようなデータがあるか見渡せる程度の広さから始め、気になるパターンが見えてきてから範囲を狭めます。

手順2:グラフの前に取得日時や位置を確認する
結果が表示されたら、グラフを見る前にメタデータを確認します。
- WMO ID
- サイクル番号
- 日付
- 緯度と経度
これらを確認すると、一つのフロートを追っているのか、同じ地域の複数のフロートを比べているのかを把握できます。特定の季節や事象を捉えた一連のプロファイルかどうかも分かり、グラフを解釈しやすくなります。
手順3:鉛直プロファイルを開く
続いて、鉛直プロファイルを開きます。
サインインして、検索結果のマーカーを一つ選びます。検索画面のグラフに表示されるのは、選択中の一つのプロファイルです。ポテンシャル水温、絶対塩分、利用可能なBGC変数を切り替え、圧力範囲を500、1000、2000 dbarから選べます。
ここでは、次のような特徴を手早く確かめられます。
- 表層構造
- 混合層の候補となる、鉛直方向に性質が一様な層
- 鋭い勾配
- 亜表層の極大・極小
- 緩やかに変化する深層の性質
プロファイルを開いたら、次の点を確認します。
- 表層は深層より暖かいか、冷たいか
- 塩分は緩やかに変わるか、層状に変わるか
- 場所と深さも考慮したうえで、水塊の違いを示唆する水温・塩分の変化があるか
- 近接するサイクルは似ているか、違うか
手順4:複数のプロファイルを比較する
検索画面のグラフは、一度に一つのプロファイルを表示します。複数のプロファイルを同じグラフ上で比べる場合は、選択した各プロファイルをDownload profileで保存し、デスクトップブラウザーでMenu > Analysis Lab > Vertical Profilesを開きます。この機能はサインインが必要で、ダウンロードしたファイルを含む互換性のあるArgo形式JSONを最大30件アップロードし、表示対象を選べます。
操作方法はAnalysis Lab: Vertical Profiles(JSONアップロード、英語)で確認できます。
同じフロートの異なるサイクル、近接するプロファイル、異なる場所の同時期のプロファイルを比べ、上層の変動や深層の性質、地域的なパターンを調べます。同じフロートのサイクルでも、差には時間変化と軌跡に沿った場所の変化が含まれます。

手順5:深度図だけで不十分ならθ-S図を使う
鉛直プロファイルは一つの変数が深さとともにどう変わるかを示しますが、θ-S図は水温と塩分の組み合わせを示します。θ-S図は、次のような場面で役立ちます。
- 水塊を示す特徴を調べる
- 物性空間でプロファイルを比較する
- 混合を示唆する水温・塩分の変化を見つける
- 一つの変数だけでは似て見える二つのプロファイルが、物理的にはなぜ違うのかを理解する
操作方法と図の読み方は、次のページで説明しています。
後から値をダウンロードまたは解析する場合は、Argoのデータモードを確認し、対応する生または補正済みの変数と、それに合う品質フラグ・誤差を使ってください。

手順6:詳しく解析するプロファイルをブックマークする
興味のあるプロファイルをブックマークし、後から比較や解析の対象として開きます。
ノーコード可視化が適する場面
次のような場合に、特に役立ちます。
- Argoを初めて学ぶ
- 解析スクリプトを書く前にプロファイルを選別する
- 海洋プロファイル構造を教える・実演する
- 水温、塩分、酸素の振る舞いをすぐに見たい
- コードを使わない共同研究者と作業する
後からPythonが必要になる場面
次のような目的には、コードが欠かせません。
- 多数のプロファイルを一括処理する
- 再現可能なフィルターや統計を適用する
- Argoと他のデータセットを統合する
- 出版用の図をプログラムで作る
- 組み込みの可視化を超える派生計算を行う

